文筆家の渡辺建夫さんに、トルコの魅力をうかがいました。

217135_668527579843553_962407473_n
貴子デンタルクリニック 村上貴子先生からのココカラ話は・・・

「旅行が大好きです。特に印象に残っているのは、世界遺産に認定されているフランスのモン=サン=ミシェルや、トルコのカッパドキア。素晴らしい光景でした。」

カッパドキアだけでなく、建物も、自然の風景もたいへん美しいトルコ。そんなトルコの敷物「キリム」に魅せられ、40代半ばで突然キリムの貿易商となり、また、その当時の模様を綴った書籍「キリムへの旅 トルコへの旅」を著された、文筆家の渡辺建夫さんに、トルコの魅力をうかがいました。

誌面ではご紹介しきれなかったので、ココカラWEBでは2回に分けて全文掲載させていただきます

(その1 ギョレメ、カッパドキア、そしてパムッカレ)

トルコのアジア側にあたるアナトリア地方、その中央部にあるギョレメ、カッパドキアには二度ほど訪れています。ここは、乾燥した内陸部の、しかもかなりの高地になるようで、四月のなかばに訪ねたときには、空が曇っていたせいもあって、その寒さにふるえあがりました。でも、真夏の八月に訪れた二度目のときは、陽気もほどよく、さわやかで快適でした。

ギョレメの十世紀から十二世紀にかけて岩肌に描かれたキリスト教関係のフレスコ画は、見る人が見れば興味深いのでしょうが、古代キリスト教についての知識に欠ける私には、そのすごさがよくわかりませんでした。

でも地下都市の方は、まるで人間が勤勉な蟻になって、どこまでも穴を掘りつづけたり、食料をため込んだり、狭い空間でたがいにぶつかりあったりして生きているようで、そこでの生活に興味つきないものがありました。

巨大なきのこが空高く林立したような奇岩の奇観はなかなかのもの。八月の旅では、タクシーを一日借りてまわりましたが、人のよい運転手さんの家に呼ばれ、ほっぺたの赤い奥さんからトルコ・チャイをご馳走になったのがいい思い出です。

パムッカレは春の季節に訪れたのですが、こちらの方はトルコのアナトリア地方南西部にあたり、空はよく晴れわたり暖かい一日でした。トルコの伝統的な織物であるキリムの産地デニズリの町からほど近いところにあり、トルコ人の友人の案内で訪れました。

パムッカレの丘の上に立つと眼下に、あったかい温泉の水で溶けた石灰でできた真っ白い階段状のプールがつらなり、そのむこうにはうす緑のアナトリア高原がどこまでも広がっていて、胸のすくような光景でした。古代ローマ時代のヒエラポリス遺跡は、野外の円形劇場など、エーゲ海沿岸の遺跡や遠くスペインのマラガの古代遺跡などとも共通する景観で、どこでも同じようなものをつくりたがるローマ人の建築熱にはまあ感心させられました。

(渡辺建夫)