ジョージ・ネルソン展 ― 建築家、ライター、デザイナー、教育者
目黒区美術館
meguro museum of art, tokyo
2014年 7月15日(火)〜9月18日(木)
長くアメリカのハーマンミラー社のデザインディレクターを務めたジョージ・ネルソンは、当時まだ無名だったチャールズ&レイ・イームズ夫妻の才能を見出し、同社のデザイナーに起用。また、イサム・ノグチ、アレキサンダー・ジラードなど、優れたデザイナーの仕事を導き、ハーマン・ミラーを世界的な家具メーカーへと成長させ、20世紀後半のアメリカのデザインを定義付けたデザイナーだと言われています。
ネルソンが考案した、壁に扉を付けたコンパクトな収納家具「ストレージウォール」は、戦後高度成長期を迎えたアメリカのオフィスや家庭の家具 のあり方を大きく変えました。また、ハーマンミラー社では、家具をプレゼンテーション するためのグラフィックにも重要な指針を示し、成功へと導きました。
ボール・クロック(1947)、バ ブル・ランプ(1952〜)、ココナッツ・チェア(1956)、マシュマロ・ソファ(1956)、そしてアクションオフィス(1964)。ネルソンとネルソンオフィスの優秀な仲間たちの手で、モダンファニチャーの名作と優れたインテリアデザインの数々が生み出されました。
ネルソンと日本には強いつながりがあります。
1957 年、日本政府に招かれ、ひと月を日本で過ごしたネルソンは、大学で講演し、日本国中を訪問し、日本の雑誌は彼の旅行の 様子を詳細に伝えました。
アメリカ帰国後のネルソンは、日本のデザインの理解者(伝道 者/ advocate)として、日本での体験を数々のアメリカの雑誌に寄稿、日本の伝統的な「こけし」を蒐集し、グラフィックデザイナー・岡秀行が企画した日本のパッケージデザインとグラフィックデザインの展覽会をニューヨークで開きました。そして、岡の著書『5つの卵はいかにして包まれたか(How to Wrap Five Eggs)』の英訳版では序文を執筆して います (岡秀行による伝統パッケージのコレクションは、日本では目黒区美術館が所蔵し ています)。 ネルソンが 1950 年代後半ころからデザインした実験住宅(the unrealized Experimental House)には、明らかにこうした日本の伝統からの影響がみてとれます。
ネルソンは卓越したデザイナーであっただけではなく、優れたライター(書き手)、編集者、講演者、展覽会デザイナーで、情熱的な写真家でもありました。デザインに関する彼の多くのエッセイからは、まだデザインという分野やイメージが 形成期にあった時代、デザイナーという職業の労働条件から任務、目的までを既に熟考していたことがわかります。
この展覧会は、これまで本格的に紹介されたことのないジョージ・ネルソンの初めての大規模な展覧会で、国内では目黒区美術館だけの単独開催となります。近代的な思想を具現 化して、デザインに対する考え方をつきつめたネルソンの仕事を、家具やグラフィック、 モックアップなど、300点を越える多彩な展示作品を直接観るチャンスです。
ジョージ・ネルソン展―建築家、ライター、デザイナー、教育者
George Nelson ―Achitect, Writer, Designer, Teacher
2014 年 7 月 15 日(火)~ 9 月 18 日(木)
午前 10 時~午後 6 時(入館は午後 5 時 30 分まで)
月曜休館
ただし 7 月 21 日(海の日)、9 月 15 日(敬老の日)は開館で翌日が休館になります
一般 1000(800)円、大高生・65 歳以上 800(600)円、小中生無料
( )内は 20 名以上の団体料金、障がいのある方は半額、付添者 1 名無料
主催:(公財)目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館、読売新聞社、美術館連 絡協議会
企画:ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(the Vitra Design Museum, Germany)
特別協賛:ハーマンミラーインターナショナルアジア・パシフィック、ハーマン ミラージャパン株式会社
協賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン・日本興亜損保、日本テ レビ放送網、(有)共済企画センター、天童木工、マーベラス、 サッポロビール
後援:アメリカ大使館