ベン・ハーパーの新作『Childhood Home』は母エレン・ハーパーとの共演作。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1145 2,600円+税)
これが予想以上に味わい深くて沁みる1枚でした。
エレン・ハーパーの一家はカリフォルニア州サクラメントで『The Folk Music Center』というギターやバンジョー等様々な楽器を取り扱っていた店を経営。ライ・クーダーやタジ・マハールなど有名ミュージシャンが来店しその場でよくセッションしていたそうです。
ベン・ハーパーの音楽ルーツはそういうところから生まれたのですね。
古き良きアメリカの広大な大地へタイムスリップさせられるようなフォーキーな楽曲。
シンプルなアコースティックギターの合間に時折響くワイゼンボーンやバンジョーの響き。
そして何よりシングルマザーであった母エレンの憂いある歌声が素晴らしい。
歌が上手いというのではなく、長い人生を渡り歩いてきた魂が宿った歌声なのでしょう。
地味だけれどここ最近のベン・ハーパーの作品の中では一番長く聴き続けようなアルバムですね。
今日のこの1曲は、労働者(農園者)の気骨を感じさせる歌詞が印象的な⑤「Farmer’s Daughter」。
ちなみにベン・ハーパーの妻は女優のローラ・ダーンですが、母エレン・ハーパーに雰囲気がなんとなく似ていますね。
ベンはローラ・ダーンに母の面影&母性愛を感じて結婚したのかな?、とエレンの写真を見て思いました。
(文:森 陽馬)