山下達郎「Please Let Me Wonder」

梅雨も明け夏本番という暑さになってきましたが、そういう時期にピッタリのCDが最新リマスターで再発されました。

山下達郎『ビッグ・ウェイヴ』30周年盤がそれです。
(CD 当店作成発売記念リーフレット付! WPCL-11930 2,200円+税)

山下達郎『ビッグ・ウェイヴ』30周年盤

山下達郎『ビッグ・ウェイヴ』30周年盤

1984年公開、サーフィンを中心としたスポーツ・ドキュメンタリー映画のサウンド・トラックとして制作された全曲英語詞のアルバムです。

レコード時代はA面が山下達郎オリジナル・ソング、B面がビーチ・ボーイズを中心とした関連カヴァー曲、というラインナップ。今回はその12曲に7曲のボーナス・トラックを追加収録し、最新リマスターで音もすこぶる良くなっています。達郎さん自身により新しく執筆された全曲解説などライナーノーツも楽曲をより楽しむうえでの助けになります。

「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」はビーチ・ボーイズが1965年2月に発表したシングル『踊ろよ、ベイビー (Do You Wanna Dance)』のB面でまずお目見えし、その後3月に発表された名作『トゥデイ』に収録された名曲です。大ヒット曲ではありませんが、ビーチ・ボーイズ・ファンとしてはいつも心にしまっておきたい曲のひとつだと思います。
それを1人多重録音コーラス及び楽器演奏もマルチ・プレイで再現してくれたのが山下達郎です。

十代の時にビーチ・ボーイズのレコードを聴きながらコーラス譜面を書いてしまうほどビーチ・ボーイズ・フリークの山下達郎。その意地と心意気が表現された素晴らしいカヴァーだと思います。

ボーナス・トラックとして今回初めて発表された「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」カラオケ・ヴァージョンも聴きものです。緻密なサウンド作りにも注目。

ビーチ・ボーイズ愛をたっぷりサウンドで表現してくれた『BIG WAVE』ですが、これを縮めるとB.W。
あら不思議、BRIAN WILSONのイニシャルになるんですね。

やっぱり深いものがありますね。
30周年盤『ビッグ・ウェイヴ』、そんなこともふまえてじっくり味わいたい1枚です。

(文:森 勉)

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