羅生門 「戦争の放棄」

羅生門 『日本国憲法』

羅生門 『日本国憲法』

隠れた名盤、幻の名盤と言われるアルバム『日本国憲法』が待望のCD化!
(国内CD BQGS-103 2,000円+税)

黒沢明監督の映画『羅生門』は有名ですが、日本ロック・グループ<羅生門>は知る人がほとんどいないのが現実だと思います。

それもそのはず、1971年LPレコードが発表されて以来再発されたのは1回あったようななかったような・・・、という状態ですからしょうがないですね。

しかし僕にとってアルバム『日本国憲法』は昔からの愛聴盤。
今回の再発はうれしい限りです。

日本国憲法の条文を歌詞にしてロックにする、というちょっとキワモノ的な企画ではありますが、演奏・ヴォーカルともに、これがかなりのハイグレードなのです。
1971年の日本音楽界でこれだけのものが制作されたのは驚きです。

ハプニングス・フォーのクニ河内が全曲編曲と収録曲の3分の2を作曲。
知る人ぞ知るハーフ・ブリードのポール・リーが残りの3分の1を作曲し、全曲のヴォーカル担当。
グループ・サウンズ後期のユニークなサウンドを売りにしていたグループの精鋭が中心となっています。

ハーフ・ブリードはGS末期とも言える1969年1月にデビューし、シングル2枚しか発表しませんでしたが、ヴォーカルとギターのポール・リーはその頃からいいセンスを持っていた人でした。

R&Bテイストを含ませたヴォーカルは、『日本国憲法』でも様々な曲調を見事に歌いこなしています。

 

文:森 勉
ペット・サウンズ・レコードの店長。ビーチ・ボーイズをはじめとしたアメリカンポップスを中心に、さまざまなジャンルの音楽に対して豊富な知識をお持ちです。街のCD屋さんとして店頭で接客する一方で、ライターとしてレコード・コレクターズ誌など、さまざまな媒体へも寄稿。ファンからもミュージシャンからも、業界関係者からも厚い信頼を寄せられています。

http://www.petsounds.co.jp