ブライアン・ウィルソン「Somewhere Quiet」と「Our Special Love」

ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』

ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』

(前篇)
あぁ、ブライアン。
あなたの作るメロディーはどうしてこんなにも僕らの心を震わせてくれるのでしょう・・・。

ブライアン・ウィルソンの新作、待望の新作『ノー・ピア・プレッシャー』が発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICC-10017 2,500円+税)

16曲の新曲(1曲インスト含)+ボーナス2曲(『トゥデイ』に入っていた「In The Back Of My Mind」と1stソロ収録「Love And Mercy」のニュー・ヴァージョン)を含めた全18曲。
大盤振る舞いな内容です。

質的にも、僕らが期待するレベルの更に上をいっていて、さすがブライアンは違うなぁ、という曲が散りばめられています。

アルバムを通して聴いた1回目から気になる曲が目白押しですが、今日は10曲目に収録されている「Somewhere Quiet」。

この曲はビーチ・ボーイズファン泣かせの1曲なのです。

タイトルからはわかりませんでしたが、曲を聴いてビックリ仰天!
あのメロディーに歌詞が・・・!

1965年発表アルバム『サマーデイズ』に入っていた美しいインスト曲「Summer Means New Love」に新しく歌詞が付いた新曲!なのです。
作詞はブライアン・バンドのキーボードなどを担当しているスコット・ベネット。

インストでも充分説得力ある名曲でしたが、ブライアンの声と言葉がメロディーに溶け合うことで、より素敵な曲にグレードアップした感じがします。

(後編)
ブライアン・ウィルソンのニュー・アルバム『ノー・ピア・プレッシャー』からまた紹介させてもらいます。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICC-10017 2,500円+税)

前回データ的なことはほとんど触れなかったので、今回は少し書いておきたいと思います。

原盤はキャピトル・レコード。
プロデュースはブライアン・ウィルソンとジョー・トーマス。
アレンジはブライアン。
ゲスト・ヴォーカリストとして、アル・ジャーディン、ブロンディ・チャップリン、ズーイー・デシャネル、セブ・シモニアン、ネイト・ルイス(FUN)、ケイシー・マスグレイヴス、ピーター・ホーレンスがフィーチャーされています。

バック・ミュージシャンはお馴染みのブライアン・バンド以外に、ジム・ケルトナー、ドン・ウォズ、ディーン・パークス、マーク・ゴールデンバーグ、デヴィッド・マークスも参加。

当初インフォメーションされていたジェフ・ベック参加の音源は残念ながら今回は収録されなかったようです。
しかし、そうした目玉の楽曲がカットされても、まだまだ目玉タップリなのが今回のアルバムなのです。

聴く度に好きな曲がどんどん増えていく感じの『ノー・ピア・プレッシャー』ですが、今特に気に入っているのが6曲目「アワ・スペシャル・ラヴ」です。

アカペラ・コーラスから始まり、ブライアンならではのコーラス・ワークが曲全編を包んでいるラヴ・ソング。
ゲスト・ヴォーカリストはピーター・ホーレンス。

シンプルながら音楽の深みを感じさせてくれるこんな楽曲をアルバム中盤に置くこのセンス。
さすがブライアンですね。

72歳になってもブライアンの創作意欲は衰えることがないようです。
そして新しく生み出された作品の質の高さには、またまた驚かされてしまいました。

歌詞やミュージシャン・クレジットを眺めながら、さぁ、もう1回聴こうかな。

森 勉

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