大貫妙子の歌う「蜃気楼の街」。みなさんに試聴していただくための動画をYouTubeで探していて、久しぶりに聴き、その透明感と繊細さに胸をぎゅっと掴まれました。それにしてもシュガー・ベイブの「いま」感はすごい。まったく古くならないどころか、何百回聴いても、聴きもらしていた新しい音が耳に届いてくるのです。(編集部)
大貫妙子がシュガーベイブのメンバーとして活動を始めてから40年が経ちました。
その40周年を記念して、『大貫妙子トリビュート・アルバム』が12月18日発売になります。
大貫妙子が今までに作った楽曲を様々なミュージシャンが原曲の良さを残しつつ、それぞれ個性豊かにカヴァーしています。
2枚組で1枚目は全てこの企画のための新録音。
岡村靖幸+坂本龍一「都会」、奥田民生「突然の贈りもの」、キリンジ「黒のクレール」、松任谷由実withキャラメルママ「色彩都市」、寺尾紗穂「Rain」など全10曲。
2枚目は過去に大貫妙子楽曲を歌っているもの、竹内まりや「突然の贈りもの」、EPO「横顔」、矢野顕子「海と少年」など全11曲を集めたものになっています。
とても充実した内容なので、発売日前後にまた詳しく紹介したいと思います。
さて、今日は僕が初めて大貫妙子の歌声を聴いた曲を。
1974年6月、池袋シアターグリーンで初めてシュガー・ベイブを見た日に聴いた「蜃気楼の街」。
キーボードを弾きながら、うつむき加減に心の中に湧き上がってきた詞を静かに朗読するように歌う少女が大貫妙子でした。
こんなにポップで繊細な曲を書く日本人女性がいるなんて・・・、と当時感じた楽曲。
40年経っても、大好きな1曲です。
(文:森 勉)
★掲載ジャケットはシュガー・ベイブ1975年発表名作『ソングス』。(SRCL-5003 2,100円)