1960年代初頭に活躍したマーセルズは、ピッツバーグ出身5人組コーラス・グループ。
1961年に大ヒットした「ブルー・ムーン」を皮切りに「サマータイム」、「ハートエイクス」、「マイ・メランコリー・ベイビー」などのスタンダード曲を自分たちのスタイルにアレンジして人気者になりました。
「ブルー・ムーン」は様々なカヴァーがありますが、エラ・フィッツジェラルド、ジュリー・ロンドン、エルヴィス・プレスリーなど普通に静かに歌っているものと比べると、このマーセルズのヴァージョンは、ドゥーワップ・グループとしての特徴を生かしそして強調したヴァージョンになっています。
それにしても、当時の音楽ファン及び音楽業界の人々はこの斬新なヴォーカル・スタイルを受け入れる度量があったということなのですね。
作曲したリチャード・ロジャースはこれを聴いてビックリしたでしょうね。
(文:森 勉)
★掲載ジャケットは2013年JASMINEレーベルから再発された32曲収録編集盤。
(輸入CD The Marcels 『Blue Moons, Heataches & Melancholy Babes』 JASMINE JASCD-267)