ニール・ヤングの新作『A Letter Home』輸入盤が入荷しました。
(輸入CD warner/reprise 9362-49399-9 国内盤は6月25日発売)
ニール自身が昔から好きな歌をカヴァーしたアルバムですが、いやー、これは問題作ですね。
何が問題かというと、作品全体がSPレコードで聴いているような音質なのです。
ジャケットに写っている電話ボックスみたいなブースが今作のレコーディング・スタジオだそうで、ナッシュビルのジャック・ホワイト所有スタジオ、Third Man StudioにあるVoice-O-Graph(ヴォイソグラフ)にて録音。
これはボックス内で演奏&歌った音が、直接レコード盤にカッティングされる年代もののスタジオ・ブースで、おそらくロバート・ジョンソンなどの戦前ブルースもこのようにしてレコーディングされたのでしょう。
「ここ最近のレコーディング作とは全く違うサウンドが出来上がっている」
「まるでタイム・カプセルのような・・・」
と、発売前にニールのコメントを読んでましたが、聴いてやっと理解できましたね。
普通の人が聴いたら、というか音楽好きの人でもほとんどの方が、録音の悪い昔のライヴ音源かデモ音源だと思うでしょう。
でもこれは純然たる新録音作品。
これを新作として出してしまうところが、ニールらしいといえばニールらしい1枚ですね。
と、散々なことを書いてしまいましたが、聴いていくうちにどんどん深みが増して味が出てくるから不思議。
特に9曲目のウィリー・ネルソン「On The Road Again」カヴァー。
曲後半にレコードのキズで出るノイズ(プツ、プツという針音)が随所に入っています。
もしや、これは意図的に入れたノイズなのかも?!
ちなみに、同時入荷したアナログ・レコードBOXもとんでもない代物でしたが、そのレポートは後で。
(文:森 陽馬)