雪村いづみ「胸の振子」

サトウハチロー作詞、服部良一作曲による「胸の振子」は、戦後昭和22年頃に霧島昇の歌で流行った歌だそうです。

この曲を知ったのは雪村いづみが昭和49年(本体とは何の関係もありませんが、長嶋茂雄選手が現役引退した1974年です)に発表した服部良一楽曲のカヴァー・アルバム『スーパー・ジェネレーション』でした。
(国内CD 解説:湯浅学 ボーナス・トラック「別れのブルース」追加 COCA-71139 2,190円+税)

雪村いづみ、キャラメル・ママ『スーパー・ジェネレーション』

雪村いづみ、キャラメル・ママ『スーパー・ジェネレーション』

このアルバムは昭和10~20年代にヒットした服部良一の名曲をその息子服部克久がストリングス&ホーン・アレンジを担当。
そして、キャラメルママ(アルバム録音当時はメンバー全員がまだ20代半ば)がバンド・アレンジと演奏を担当した企画もの。

次世代に昭和の名曲を残していきたい、という当時としては珍しいアプローチのアルバムでした。

キャラメルママが演奏をしているということで、僕はこのアルバムに喰いついたわけですが、これで服部良一作品への興味が一気に高まり、自分が生まれる前の日本の歌謡曲をいろいろ聴くようになりました。

服部良一楽曲の確かさと雪村いづみのモダンな歌唱、キャラメルママの緩急自在なスマートな演奏が見事に合わさったこの『スーパー・ジェネレーション』は、日本音楽界至宝の名盤と言っていいと思います。

(文:森 勉)

 

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