サイモン&ガーファンクル「スカボロー・フェア/詠唱」

サイモン&ガーファンクル『卒業』サウンドトラック

サイモン&ガーファンクル『卒業』サウンドトラック

アート・ガーファンクル来日公演最終日。
渋谷公会堂へ行ってきました。

途中20分の休憩や朗読を挟みながら約2時間。
彼が辿ってきた人生と自らの今までの道のりを回想しつつ、郷愁を覚えた感動的な一夜でした。

<天使の歌声>と評され約50年。全盛期のような神懸った高音はもう出ないのかもしれません。
でも、オリジネイターの歌唱には胸に迫る何かがあるものだ、と実感。

73歳になるアートの歌声は温かく、そして優しかったですね。
疲れた心が浄化されました。

ちなみにコンサートは、アコースティック・ギタリストとアートの2人だけ、というシンプルなステージ。
演出やサウンド・アレンジに頼らず、歌を聴かせることにコンセプトを置いた構成は、彼にとってもチャレンジであったと思います。
それを見事に実現できたのは、アートとファンの間に厚い信頼関係があるからこそでしょう。

アートの息子が途中出演し、エヴァリー・ブラザーズ「Let It Be Me」、「Devoted To You」、そして「水曜日の朝、午前3時」等を歌う場面も印象深かったです。
(アートの息子の歌声は、まさに<天使の息子の歌声>でしたね)

今日のこの1曲は最も心に沁みた「Scarborough Fair/Canticle」(スカボロー・フェア/詠唱」。

 

文:森 陽馬
武蔵小山生まれ武蔵小山育ちの「ペットサウンズレコード」の「おにいさん」。店頭で、こんな音が好き!というと、いろいろ新しいものを紹介してくれますよ。ココカラ本誌では「毎日がGOOD MUSIC〜むさこ駅前狂騒曲〜」を連載中!

(掲載ジャケットは、映画サントラ『卒業』 MHCL-2065 1,700円+税)

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