暖かいというか暑いくらいの陽気になってくると、俄然このアルバムが聴きたくなります。
アントニオ・カルロス・ジョビン『ウェイヴ』。
レコード時代からの愛聴盤です。
プロデュースはクリード・テイラー、アレンジはクラウス・オーガマン。
ジョビンが作った曲にピアノ、ギター、ハープシコードの演奏。
更に優しい音色のフレンチホルン、トロンボーン、フルートなども絡めてゆったりと聴かせてくれるインスト・アルバムです。
1967年ニュージャージーでの録音。
1967年といえばロック界ではドアーズ、ジミ・ヘンドリックス、ジェファーソン・エアプレインなどが人気の時代。
その裏側でジョビンはこんなにも寛いだサウンドを作り上げていたんですね。
あらためて、60’sという時代の奥深さを感じてしまいました。
文:森 勉
ペット・サウンズ・レコードの店長。ビーチ・ボーイズをはじめとしたアメリカンポップスを中心に、さまざまなジャンルの音楽に対して豊富な知識をお持ちです。街のCD屋さんとして店頭で接客する一方で、ライターとしてレコード・コレクターズ誌など、さまざまな媒体へも寄稿。ファンからもミュージシャンからも、業界関係者からも厚い信頼を寄せられています。