最初は、ちょっと懐古趣味なワカモノだと思っていました、ジャンクフジヤマ。リバイバルっぽい…ごめんなさいね、イロモノ、なのかなって。でも、ホンモノでした。ジャンクフジヤマのカッコよさ、このベストアルバムからどうぞ。(編集部)
ジャンクフジヤマが1stアルバム『A Color』を発表したのは2009年。
(当店でも2009年8月31日に今日のこの1曲で取り上げてましたね)
あれから5年間、コンスタントに作品を発表し、2011年にはメジャー・レーベルのビクターへ移籍。
昨年3月に力強いアルバム『JUNK SCAPE』をリリース、と着実にキャリアを重ねてきた彼。
初ベスト盤『風街ドライヴ』が先日発売になりました。(VICL-64100 3,000円+税)
『ハートカクテル』で有名なイラストレーターわたせせいぞう氏によるジャケット・イメージ通り、“ドライヴをコンセプトにした”BESTアルバムですが、インディーズ時代の楽曲やライヴ定番曲、更には新曲も5曲追加された全16曲収録作。
「ジャンクフジヤマは気になっていたけれどまだ1枚も持っていない」、という方にこそ聴いてもらいたいアルバムです。
<山下達郎ソックリな歌声>というのは、ジャンクフジヤマを聴く上及び語る上で避けては通れないことですが、今回収録された新曲を聴く限りでは、そういう枠から脱皮した感がありますね。
歌声が達郎さんに似ているのは確かだし、サウンドもシティ・ポップ調な曲があるけれど、それを<今この時代の音>で響かせているということ。
そして、良い曲を良い演奏で聴かせようという想いが込められていることが各楽曲から伝わってきます。
(そもそも総体的に、“○○似”という表現は聴き手が拘っているだけかもしれませんしね。)
今日のこの1曲は9曲目に収録されている新曲「ONE」。
天野清継が時折奏でるジョージ・ベンソンorデヴィッド・Tを彷彿とさせる甘いギター。
村上“ポンタ”秀一が叩き出す深いリズム。そして心地良いエレピの音色。
熱さやファンキーな歌声が売りのジャンクですが、このメロウなスローナンバーでは程良く力が抜けているのもイイです。
これから先、彼が自己をより確立し成長していくのを期待したいと思います。
(文:森 陽馬)
★ジャンクフジヤマ、3月15日当店地下アゲインでソロ弾き語りライヴが決定!