ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン「Vai Levando」(夢をたずさえて)

ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン『ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン』

ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン『ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン』

日本の夏といえば、花火。
全国各地で花火大会が開かれていますね。

僕が今まで見た花火で一番印象に残っているのは、実はブラジルで見た花火です。

サルバドールの海岸沿い安宿に泊まっていたある日、朝から周囲が賑やかな感じに。
夕方へ近づくにつれ、人がどんどん集まってきたので僕もその群衆に入ると、舞踊や音楽の催しが開始。
しばらくして目の前で花火が打ちあがりました。

花火自体は日本で見た打ち上げ花火と同じですが、違うのはブラジル人観客の感情の表し方。
一つ一つの花火が上がるたびに歓声が大きくあがり、心の底から喜びを分かち合いながら見ているのです。

僕の真横にいた初老のブラジル人カップル、女性の方が花火を指差しながら歓喜の表情で飛び跳ねていて、それを優しく見守りながら楽しんでいる男性の表情がとても印象的でした。

花火ももちろん良かったけれど、その花火を眺めている二人の眼差しに感動しましたね。
「生きているってこういうことなのかな」と妙に感慨深くなったことを記憶しています。

今日のこの1曲は、ジョアン・ジルベルトの元奥方であるミウシャが、アントニオ・カルロス・ジョビンと共演し作り上げた1977年発表名作『ミウシャ&アントニオ・カルロス・ジョビン』から。
(国内CD 完全限定盤 日本語解説付 SICP-4801 1,000円+税)

1曲目、ミウシャの弟であるシコ・ブアルキが、ブラジル音楽界の雄カエターノ・ヴェローゾと共作したナンバー「Vai Levando」(邦題:夢をたずさえて)。

愛を感じさせるデュエット。
楽しみながらレコーディングした雰囲気が伝わってくる幸せに満ちた1枚。

 

文:森 陽馬
武蔵小山生まれ武蔵小山育ちの「ペットサウンズレコード」の「おにいさん」。店頭で、こんな音が好き!というと、いろいろ新しいものを紹介してくれますよ。ココカラ本誌では「毎日がGOOD MUSIC〜むさこ駅前狂騒曲〜」を連載中!

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