シャネルズ with 大滝詠一 「クリスマス音頭」~「Who Put The Bomp」

鈴木雅之『オール・タイム・ベスト』

鈴木雅之『オール・タイム・ベスト』

大滝詠一のこんなライヴ音源がCD化になるとは!

3月4日発売、鈴木雅之デビュー35周年記念盤『オール・タイム・ベスト』。
(初回限定4枚組CD ESCL-4382 4,167円+税)

CD4枚組初回限定盤には貴重なライヴが収録されていて、その中にな、な、なんと!シャネルズのライヴに大滝詠一が参加した音源が入っているのです。

時は1979年12月24日、新宿ルイードでのシャネルズのライヴ。
「ランナウェイ」でデビューするのは1980年2月ですから、シャネルズはまだ知る人ぞ知る存在でした。

ルイードではドゥワップやオールディーズの名曲を歌い、今週のベストテンなどお笑いコーナーもあって、50~60’sアメリカン・ポップス好きにはたまらない構成の楽しいショーが毎回繰り広げられていましたので、僕もその日観に行っていたのですが、そんな場に予告もなく大滝詠一が登場したのです。

クリスマスだったので、鈴木雅之が「サンタが街にやってくる」を歌い、楽屋からサンタクロースに扮装した人が出てきて、会場の数人にプレゼントを手渡し始めました。
歌が終わるとサンタはステージに。
そして、そのサンタは大滝詠一と紹介されるのでした。
『ロング・バケイション』が出る前の大滝詠一ですが、シャネルズ・ファンは温かくかつ熱く迎えてくれました。

僕自身は『LET’S ONDO AGAIN』での「禁煙音頭」で鈴木雅之がリード・ヴォーカルを担当していたこともあり、大滝詠一とシャネルズの関係を知っていたのですが、まさか新宿ルイードに大滝詠一が飛び入りするとは思ってもいなかったので、本当にビックリした瞬間でした。

この日シャネルズをバックに歌ってくれたのは、「クリスマス音頭」とバリーマン作「Who Put The Bomp(シビレさせたのは誰)」の2曲。

カセットで録音された音源を使用しているため、スタジオ録音に比べると音質的には劣りますが、大滝詠一31歳の溌剌とした歌声は十分楽しめます。

「Who Put The Bomp」エンディングには、大滝得意のオールディーズ・メドレーが織り込まれています。

大滝詠一がゲスト・ヴォーカルで参加した曲のみを重点的に紹介してしまいましたが、<シャネルズ>、<ラッツ&スター>、ソロとしての<鈴木雅之>、マーチンの35年間をたっぷり、じっくり味わえるベスト盤。
いい曲が多くておすすめです。

 

文:森 勉

ペット・サウンズ・レコードの店長。ビーチ・ボーイズをはじめとしたアメリカンポップスを中心に、さまざまなジャンルの音楽に対して豊富な知識をお持ちです。街のCD屋さんとして店頭で接客する一方で、ライターとしてレコード・コレクターズ誌など、さまざまな媒体へも寄稿。ファンからもミュージシャンからも、業界関係者からも厚い信頼を寄せられています。

http://www.petsounds.co.jp