ビーチ・ボーイズ「’TIL I DIE」

ビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』

ビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』

映画『ラヴ&マーシー』、2回目を先日鑑賞。

見るほどに切ない思いは強くなりましたが、その分感動が深まりました。

暗い/悲しいという感想もあるかとは思いますが、ブライアンの物語を描くにあたって、光と影(とりわけ影の部分)を抜きには語れないですからね。
それを享受してのビーチ・ボーイズ/ブライアンの音楽、ということでご理解いただきたいな、と。

見どころはやはり『PET SOUNDS』/『SMiLE』レコーディング場面でしょう。
様々なエピソードを再現させていて、ここの部分だけでも単体の映画として成り立ちそうなディテール。
ビーチ・ボーイズに関して詳しくご存知でない方にこそ見てもらいたいですね。

個人的に好きなのは、「ティル・アイ・ダイ」がかかっている場面。
過去、現在、幻想が入り混じったアーティスティックな映像がブライアンの人生を走馬灯のように振り返っているようで、心にグッとくるのです。

そして、ラストの場面。
何故、ブライアンはあの場所へ戻ろうとしたのか?

改めて見て思ったのは、「Caroline No」や「I Just Wasn’t Made For These Times」の歌でも表現されているような<無垢な精神の喪失>、<純粋な心を探し求める気持ち>の表れだったのかな、と。

ブライアンが昔持っていたイノセンス(純粋な心)は以前あったその場所にはもうなかった。
でも、そのイノセンスを今一度探し求める意思が見出せるからこそ、あのラストは観る者を感動させるのかもしれません。

文;森 陽馬
武蔵小山生まれ武蔵小山育ちの「ペットサウンズレコード」の「おにいさん」。店頭で、こんな音が好き!というと、いろいろ新しいものを紹介してくれますよ。ココカラ本誌では「毎日がGOOD MUSIC〜むさこ駅前狂騒曲〜」を連載中!

PETSOUNDSロゴ

★掲載ジャケットは「ティル・アイ・ダイ」収録、1971年発表アルバム『サーフズ・アップ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71382 2,476円+税)

★映画『ラヴ&マーシー』公開記念!

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