リヴィングストン・テイラー「Here You Come Again」

リヴィングストン・テイラー『BLUE SKY』

リヴィングストン・テイラー『BLUE SKY』

 

1999年5月、ニューオリンズ旅行の帰りに、友人が留学しているサンフランシスコへ寄ったときのことです。

友人のホームステイ先に荷物を置かせてもらい、地元紙をなんとなくパラパラめくっていると、リヴィングストン・テイラーのライヴ告知記事を発見。
電車で数駅とほど近い場所でその当日に行われる事実を知り、友人と旧交を温める予定だった夕食をキャンセル(あの時はゴメン!)して、LIVのライヴへ急遽見に行ったことがありました。

バークレー駅から徒歩10分ほどの小さいライヴハウス。
観客は地元民と思われる年配の方々が中心、その中に若い日本人が1人で観に来ている、
という状況もあってか、終演後LIVの方から僕に話しかけにきてくれたのです。

「Life Is Good」から始まり「Grandma’s Hands」で終わる素晴らしいライヴ・パフォーマンス。
そして話しかけてくれた時の彼の温かい眼差しは、僕にとって一生の良き想い出として心に刻まれています。

あれから約17年経った2016年9月5日。
ビルボード・ライヴのステージに立った彼の優しい歌声は昔と全く変わっていませんでしたね。

17年前へタイムスリップしたかのような、「Life Is Good」から始まり「Grandma’s Hands」で終わる構成。
兄のジェイムスと歌声は似ているけれど、僕らの目線により近い包容力ある歌心。
忙しい日々の中で忘れかけていた大事な何かを想い出させてくれたような気がします。

終演後、1999年サンフランシスコで一緒に撮った写真を渡すことができました。

憶えているわけはないだろうけれど、温もりある表情で再び微笑みかけてくれたLIV。

帰り道は秋の気配を感じました。

★今日のこの1曲は、バリーマン/シンシア・ワイル作カヴァー「Here You Come Again」。
掲載ジャケットは上記曲が収録されているリヴィングストン・テイラー2014年発表アルバム『ブルー・スカイ』。
(国内仕様CD 日本語解説付 OM023 2,500円+税)

 

文:森 陽馬
武蔵小山生まれ武蔵小山育ちの「ペットサウンズレコード」の「おにいさん」。店頭で、こんな音が好き!というと、いろいろ新しいものを紹介してくれますよ。ココカラ本誌では「毎日がGOOD MUSIC〜むさこ駅前狂騒曲〜」を連載中!

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