スティーヴン・ビショップ「Send A Little Love My Way(Like Always)」

スティーヴン・ビショップ『哀愁のマンハッタン (Red Cab To Manhattan)』

スティーヴン・ビショップ『哀愁のマンハッタン (Red Cab To Manhattan)』

スティーヴン・ビショップと言えば、1976年発表ファースト・アルバム『ケアレス』と、1978年発表セカンド・アルバム『ビッシュ~水色の手帖』が定番になっています。

もちろん、この2枚は何年経っても色褪せない名作ですが、ABC(MCA)レーベルからワーナーに移籍して1980年に発表したサード・アルバム『哀愁のマンハッタン (Red Cab To Manhattan)』も引けをとらない聴き応えのある作品だと思います。

スティーヴン・ビショップ『哀愁のマンハッタン (Red Cab To Manhattan)』
<AOR1300 BEST SELECTION>シリーズ
(国内CD 天辰保文氏解説・歌詞・対訳付 WPCR-17407 1,300円+税)

プロデュースはトミー・リピューマとマイク・マイニエリ。

録音の大半はニューヨーク。
アンディ・ニューマーク、ウィリー・ウィークス、デヴィッド・スピノザ、ドン・グロニックなどの腕利きたちがセンスのいい音を聴かせてくれます。

その中に2曲、ゲイリー・ブルッカー(プロコル・ハルム)、エリック・クラプトン、フィル・コリンズ等が参加したロンドン録音もまじっていますが、アルバムの中では違和感なく流れに溶け込んでいて、1曲1曲がニューヨークを舞台にした短編小説のような歌詞で紡がれ構成されたアルバムになっています。

ということで、スティーヴン・ビショップらしい曲がいろいろ楽しめるアルバムから、今日は4曲目に入っている「Send A Little Love My Way (Like Always)」(邦題:愛の贈りもの)を。

シングル・ヒットではありませんが、それに値する名曲です。

彼のハート・ウォーミング・ヴォーカル全開。
エンディングのドラムスのタムの音がこれまたいい響き。
叩いているのはスティーヴ・ガッド。

 

文:森 勉

ペット・サウンズ・レコードの店長。ビーチ・ボーイズをはじめとしたアメリカンポップスを中心に、さまざまなジャンルの音楽に対して豊富な知識をお持ちです。街のCD屋さんとして店頭で接客する一方で、ライターとしてレコード・コレクターズ誌など、さまざまな媒体へも寄稿。ファンからもミュージシャンからも、業界関係者からも厚い信頼を寄せられています。

http://www.petsounds.co.jp