友部正人「見えないゴール」

友部正人『ブルックリンからの帰り道』

友部正人『ブルックリンからの帰り道』

 

前回の松浦湊のこのコーナーにて<彼女しか歌えないような>という表現を使いましたが、今日紹介する作品は、40年以上にわたって<彼しか歌えない歌>を身を削るように歌い続けてきたミュージシャンによる2016年新作です。

友部正人『ブルックリンからの帰り道』
(TM OFFICE TM-017 2,600円+税)

1950年生まれ、孤高のフォーク・シンガー、友部正人。
山川のりを、新井田耕造、吉森信、川口義之、水谷紹をバックに従えた2016年新作オリジナル・アルバム。
録音・ミックス:永見仁、マスタリング:中村宗一郎が担当。

友部正人さんだからこその詩世界、そして武骨で真っ直ぐな歌声に引き込まれる全9曲。

今日のこの1曲は5曲目「見えないゴール」。

♪まるでゴールが見えてこない♪ という歌い出し。

そして、♪橋をいくつ越えてもその先にはまだいくつもの橋がある
その橋の大きいこと 人生は大きな川に囲まれている♪ と歌われるナンバー。

人生には人それぞれ様々な大きい橋があり、見えないゴールへ皆走り続けているのかもしれませんね。

♪景色が僕を追い抜いて行く ぼくの時間は止まったままだ
風よぼくを動かしてくれ あの木の枝みたいにゆすっておくれ♪

見えないゴールへ向かっていても、止まってしまうことがある。
でも、足と体、そして心だけでも動かし続けるのだ、という熱い気持ちが伝わってきました。

 

文:森 陽馬
武蔵小山生まれ武蔵小山育ちの「ペットサウンズレコード」の「おにいさん」。店頭で、こんな音が好き!というと、いろいろ新しいものを紹介してくれますよ。ココカラ本誌では「毎日がGOOD MUSIC〜むさこ駅前狂騒曲〜」を連載中!

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